Macで爆速バ美肉して会社のミーティングに参加してみた
皆さん、バ美肉してますか?(挨拶)
▲ ビバ、バ美肉!
こんにちは、AWS事業本部のShirotaです。先週末から、実際に会社でのバ美肉運用を始めました。
今回お話しする「バ美肉」の定義については、「バーチャルなアバターで人前に姿を現す」事にさせてもらいたいと思います。
参考までに、元々のバ美肉の定義については以下に引用したものを置いておきます。
バ美肉(バびにく)とは、バーチャル美少女受肉またはバーチャル美少女セルフ受肉の略語。美少女のアバターを纏うこと、あるいは纏った上でバーチャルな美少女として、VRChat等のバーチャル空間で活動したり、バーチャルYouTuber・バーチャルアイドル等として活動することを指す。
そう。私はずっと「バ美肉」が気になっていたものの、手を出した事がありませんでした。
理由としては、
- やってみたいけどPCのスペック的に出来るかが不安
- やってみたいけど事前準備に時間がかかりそう
- やってみたいけど何やかんやで面倒そう
- やってみたいけど滑ったり微妙な空気になったらどうしよう(重要)
という二の足を踏み続けている状況でした。
ですが周りでバ美肉をやっている人たちをちらほら見かけるようになり、それがどうにも楽しそうだった為、自分でも手を出してみる事にしました。
何故バ美肉が気になっていたのか
人前に出るのにワンクッション置きたかった。
あわよくば、可愛いワンクッションが置きたかった。 これに尽きます。
私は、顔出しがあまり得意な方ではありませんが、話す事があまり嫌いな方では無いという厄介な性格の持ち主です。特に、初見の人にLTなどで自分の技術領域を話したりする事が好きな方です。
またあまり上手く表情筋を動かせないのか昔から笑うのが下手で、写真を撮られる事があまり好きではありませんでした。運動会や遠足の写真が校内に張り出されるシーズンは地獄でした。
このような状況だと、「顔出しをせず、自分の表情などを気にせず話がしたい!」と考えてしまいます。ですが、「顔の見えない相手が話しかける言葉の威力は少し弱くなりそうだな」という懸念もありました。
このネット社会において顔出ししない文字ベースの会話は、相手の感情を見定めるのが難しく感じられる事があると感じていた為です。それを、少しでも緩和できる方法は無いかなと考えていました。
バ美肉は、そんな自分なりの精一杯の「人と対面で話したいよ」という表現方法の一つになるのでは無いか。 そういう結論に達したのです。
そして、できるならそれが自分で見ていて楽しい、可愛い姿だと良い。
私は、バ美肉でミーティングに参加できる環境を用意しようと考え出しました。
事前に調べた事
重めの腰を上げて、バ美肉の為に必要な環境やツールを調べました。
結果から言うと、以下の二の足を踏んでいた理由が解決しました!
- やってみたいけど何やかんやで面倒そう
- やってみたいけどPCのスペック的に出来るかが不安
- やってみたいけど事前準備に時間がかかりそう
解決までに考えた事について、以下にまとめてみました。
実現したい事を落とし込んでみた
私はMacユーザなので、Macでバ美肉する為に必要となる環境を調べてみました。
実際にやりたい事で検索を掛けると、この素晴らしい現代らしくあっという間にやりたい事そのものを実現しているブログに辿り着くことができました。
Mac で バ美肉 りたい! (Zoom + Gachikoe + 3Tene or Reality) - LifeHack Engineering Blog
こちらを参考に、どのような環境を用意すれば良いのかを考えてみました。
▲ いつものドリーム構成図
今回は姿を変える事だけ試そうと思ったので、声の変換などについてはやっておりません。
今回やりたい事を叶える為に用意する必要のあるアプリケーションについて、それぞれ簡単に説明します。
- VRoid Studio: 絵を描くように3Dモデルが作成できるアプリケーション。サンプルモデルもある為、手軽にモデル作成が始められます。
- 3tene(ミテネ): VRM形式の3Dモデルを取り込み、描画させるアプリケーション。顔認識(フェイストラッキング)や口の動きの同期(リップシンク)などの機能が豊富。
- Shirota(本物): パソコンの内蔵カメラに向かって喋るだけの人。いつもとあまり変わらないです。
- CamTwist: 様々な入力ソースを仮想カメラからの映像として出力するのに使えるアプリケーション。3teneで完成したShirota(バーチャル)をミーティングに送り込みます。
これらを組み合わせ、ミーティング先となる Zoom や Hangouts Meet でバ美肉した姿で降臨する事が可能になる事が分かりました。
今回使用したツールのバージョン
今回はどのアプリケーションも無料の範囲内で利用しております。
- VRoid Studio : ベータ版 v0.8.3
- 3tene : Free 1.10.25 ベータ版
- CamTwist : 3.4.3
それぞれ、利用の際には最低動作環境をご確認の上ダウンロードする事をお勧め致します。(上記にリンクを貼ってみました)
特に、3teneは現状での動作保証について、 Mac OS 10.15.x (Catalina) は対象外 となっております。
やってみた
実際にやった際の手順を簡単にまとめていきます。
なりたい姿を用意する(VRoid Studio他)
私はVRoid Studioで3Dモデルを作成しましたが、VRM形式のモデルさえ用意できれば大丈夫です。
▲ VRoid Studioでは、ここからモデルをエクスポートできます
弊社のめそ子ちゃんたちになる事も可能 なので、良かったらどうぞ。
バ美肉する(3tene)
ここからは、3teneの設定をしていきます。
先ほど用意した、VRM形式の3Dモデルをアバターとして登録します。
左カラムからアバター登録のタブを開き、[ファイル]を選択して登録したいVRMファイルを選択して下さい。
▲ 登録したアバターを選択して、降臨
背景画像を設定すると、よりバーチャル感が増します。
左カラムから背景設定のタブを開いて画像を設定してみて下さい。
▲ これは弊社で配布されていたバーチャル背景です。オシャレ!
いよいよ、乗りうつる時がきました。
右カラムの上二つのアイコンをクリックして、フェイストラッキングとリップシンクを有効にしてみましょう。
▲ 動く!動くぞ!
環境によっては爆上げファン音と共に 3Dモデルが思い通りに動いたのではないでしょうか。
微調整をしたい場合は、以下画像で選択しているアバター調整タブから微調整が可能です。
▲ 上記が選択されていれば、基本的にモデルとのシンクロは完了していると思います
ミーティング会場に送り込む準備をする(CamTwist)
次に、用意されたバーチャル環境をCamTwistに入力として送り込みます。
以下画像のように設定できれば、送り込む準備は完了です。
▲ 3teneを入力として設定しました
ミーティングに参加する(Zoom,Hangouts Meet)
後は各ミーティングで利用するアプリケーションで、カメラを「CamTwist」に設定すれば完了です。
Zoomの場合
▲ プレビューに華麗に参上
Hangouts Meetの場合
ミーティング参加前の、プレビュー映像の右下にあるトリコロン(⁝)を押してから[設定]を選択し、後は以下画面のようにカメラを「CamTwist」に設定すれば完了です。
▲ こっちでも参上
後はいつものように、ミーティングに参加するだけです。
何食わぬ顔で「お疲れ様です〜」と言いながら参加しましょう。
実際にバ美肉してみてどうだったか
ここからは、私が実際にバ美肉してみて感じた事についてまとめていきます。
案外すんなり受け入れられて気楽だった
弊社内では、既に少し前からバーチャル背景やSnap Camera が流行っていたのもあったお陰か、周りでは比較的すんなり受け入れてもらえたように感じました。
他にもちらほらバーチャルな姿になっている人たちも見かけていたのもあったので、始める為の勇気はそこまで要りませんでした。
始める前に気にしていた、やってみたいけど滑ったり微妙な空気になったらどうしよう(重要) が払拭されていた状態だったのが個人的にはとても良かったです。
自分の表情に気を配る必要性が少し減った
カメラに向き合う時、元々口角が下がらないように意識したりと気遣いを少しだけしていました。
ですが、バーチャルな姿になった事でいい感じの表情が常に表示されるようになったので完全に自然体で喋れるようになりました。
また、リップシンクの都合もあるのですが、以前よりはっきりと口を開いて「喋っていますよ」アピールをするようになりました。表情筋が以前より使われている気がします。
手のモーションが取れていないので、首を振ってアピールするしかない(現状)
弊社では、ミーティングの終わりにバイバイと手を振って別れる事が多いです。
これは、現状での問題なのですが手のモーションをキャプチャしたりする事がMac+3teneの環境ではできません。
手を振るモーションを自力で作って登録して、それを動かす形なら実装する事はできるとは思います。
現状では横にヘドバンをして対応しています。
全身のモーションが取れるようになると、表現の幅が広がるので是非やれるようになって欲しいなと思っています。
一番嬉しかったのは、周りの許容力だった
そんな訳で、「やろう!」と決意してから一日足らずで環境が用意でき、実際に何回かミーティングでバーチャル顔出しをやっていく事ができました。
その中で一番嬉しかった事は、周りの人たちが許容して受け入れてくれた事に尽きます。
周りが受け入れてくれる環境だと、やはり準備のモチベーションも上がりましたし、実際にモデルの質を向上させたりする作業も捗りました。
また、私がバ美肉をする事で叶えたかった、「自分に無理のない形で対面で人と喋る」事が成就した事もとても嬉しいです。
この記事が、少しでもバ美肉に興味がある方の助けになれば幸いです。